2008年
06月
02日
(月)
00:01 |
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マイク・ニコルズ監督の『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』を観る。
一九八〇年。テキサス州選出の下院議員チャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)が、テキサスで六番目の富豪で反共産主義者のジョアン・ヘリング(ジュリア・ロバーツ)にアフガニスタンを支援するよう頼まれる。難民キャンプを視察したチャーリーは、CIAのガスト・アブラコトス(フィリップ・シーモア・ホフマン)の協力を得て、アフガニスタンにソ連と戦えるだけの武器を流す。
女好きで世渡り上手だが正義感を秘めた議員が、もてる力を振り絞る。終わりはちょっと切ない。
不遇をかこつ捜査員をホフマンが演じるのだが、西田敏行に似てると思ったせいか、字幕を読むと頭の中で声が西田で再現されて困った。ホフマンと西田の地声は全然似ていない。ホフマンの声はけっこう甘い。
一九八〇年。テキサス州選出の下院議員チャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)が、テキサスで六番目の富豪で反共産主義者のジョアン・ヘリング(ジュリア・ロバーツ)にアフガニスタンを支援するよう頼まれる。難民キャンプを視察したチャーリーは、CIAのガスト・アブラコトス(フィリップ・シーモア・ホフマン)の協力を得て、アフガニスタンにソ連と戦えるだけの武器を流す。
女好きで世渡り上手だが正義感を秘めた議員が、もてる力を振り絞る。終わりはちょっと切ない。
不遇をかこつ捜査員をホフマンが演じるのだが、西田敏行に似てると思ったせいか、字幕を読むと頭の中で声が西田で再現されて困った。ホフマンと西田の地声は全然似ていない。ホフマンの声はけっこう甘い。
2008年
05月
26日
(月)
00:01 |
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アンドリュー・アダムソン監督の『ナルニア国物語 第2章カスピアン王子の角笛』を観る。
ペベンシー四兄妹がナルニア国から帰還して一年。イングランドはまだ戦時下にあった。スーザンがナルニアに置いてきた角笛が吹き鳴らされ、四人は再びナルニアへ行くが、そこにあるのは廃墟だった。ナルニアでは千三百年の時が過ぎ、人間に滅ぼされていた。角笛を吹いたのは叔父に命を狙われているカスピアン王子(ベン・バーンズ)で、兄妹は王子を助けて叔父を権力の座から降ろし、王子の治世でナルニアに再びの長い平和を望むが、思うようにはいかない。
冒頭、赤ん坊が産まれ、次の場面でカスピアン王子が家庭教師に起こされ、「叔父上に息子が産まれたので命が危ない」と言われて、馬に乗って逃げ出す場面が良い。石造りの重厚な城の暗さ、石橋を渡る蹄の音、森の木々。見ているだけでここがどういう世界かわかる。中世の欧州に似ている。こうなると、ドワーフやしゃべるアナグマが出てこようが、お家騒動に巻き込まれた浪人が、正統な後継者を助ける時代劇にしか見えない。そのうえ殴る、斬る、射るの戦闘三昧。一国として立ちたいなら、兵力の保持と外交努力は重要という主張を読み取ってみたり。
ニュージーランドで撮影した山や河が壮大で美しい。
前作『ナルニア国物語 第1章ライオンと魔女』でも末っ子ルーシーを演じ、小さいのに良くやっていると感心したジョージー・ヘンリーが成長していた。三年も経っていれば当然か。タムナスさんの家でお茶をご馳走になったとき、カップに注がれたミルクを掌で「もうけっこう」と制した大人のような仕草が小さな淑女といった趣だったが。
ペベンシー四兄妹がナルニア国から帰還して一年。イングランドはまだ戦時下にあった。スーザンがナルニアに置いてきた角笛が吹き鳴らされ、四人は再びナルニアへ行くが、そこにあるのは廃墟だった。ナルニアでは千三百年の時が過ぎ、人間に滅ぼされていた。角笛を吹いたのは叔父に命を狙われているカスピアン王子(ベン・バーンズ)で、兄妹は王子を助けて叔父を権力の座から降ろし、王子の治世でナルニアに再びの長い平和を望むが、思うようにはいかない。
冒頭、赤ん坊が産まれ、次の場面でカスピアン王子が家庭教師に起こされ、「叔父上に息子が産まれたので命が危ない」と言われて、馬に乗って逃げ出す場面が良い。石造りの重厚な城の暗さ、石橋を渡る蹄の音、森の木々。見ているだけでここがどういう世界かわかる。中世の欧州に似ている。こうなると、ドワーフやしゃべるアナグマが出てこようが、お家騒動に巻き込まれた浪人が、正統な後継者を助ける時代劇にしか見えない。そのうえ殴る、斬る、射るの戦闘三昧。一国として立ちたいなら、兵力の保持と外交努力は重要という主張を読み取ってみたり。
ニュージーランドで撮影した山や河が壮大で美しい。
前作『ナルニア国物語 第1章ライオンと魔女』でも末っ子ルーシーを演じ、小さいのに良くやっていると感心したジョージー・ヘンリーが成長していた。三年も経っていれば当然か。タムナスさんの家でお茶をご馳走になったとき、カップに注がれたミルクを掌で「もうけっこう」と制した大人のような仕草が小さな淑女といった趣だったが。
2008年
05月
19日
(月)
00:01 |
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フランク・ダラボン監督の『ミスト』を観る。原作はスティーヴン・キング。
嵐が去った朝、湖から霧が上がってくる。デヴィッド・ドレイトン(トーマス・ジェーン)は息子とスーパーマーケットに買い物に行くが、傷を負った男が「霧に中の何かに襲われた」と飛び込んできたため、居合わせた客達はスーパーから出られなくなる。
霧の中に恐ろしい何かがいるのは確かなのに外に出たがる人もいる。スーパーの内部では狂信者のミセス・カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)が喚き、夜になると巨大昆虫が襲来、様々な出来事が作用して人間関係が徐々に変化していく。閉塞状況で、悪いことしか考えられなくなったり、絶望したり、神にすがったり、反応のヴァリエーションにリアリティがある。「息子を守る父親」という逞しい姿の背後にある弱さもよく描かれていた。ラストが、もう。
小柄でメガネの冴えない中年男オリー(トビー・ジョーンズ)が大活躍。
嵐が去った朝、湖から霧が上がってくる。デヴィッド・ドレイトン(トーマス・ジェーン)は息子とスーパーマーケットに買い物に行くが、傷を負った男が「霧に中の何かに襲われた」と飛び込んできたため、居合わせた客達はスーパーから出られなくなる。
霧の中に恐ろしい何かがいるのは確かなのに外に出たがる人もいる。スーパーの内部では狂信者のミセス・カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)が喚き、夜になると巨大昆虫が襲来、様々な出来事が作用して人間関係が徐々に変化していく。閉塞状況で、悪いことしか考えられなくなったり、絶望したり、神にすがったり、反応のヴァリエーションにリアリティがある。「息子を守る父親」という逞しい姿の背後にある弱さもよく描かれていた。ラストが、もう。
小柄でメガネの冴えない中年男オリー(トビー・ジョーンズ)が大活躍。
2008年
05月
12日
(月)
00:01 |
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ロブ・ライナー監督の『最高の人生の見つけ方』を観る。
自動車修理工として長年家族のために働いてきたカーター(モーガン・フリーマン)と、一代で大富豪となったエドワード(ジャック・ニコルソン)が病院で同室となる。境遇は違うが二人ともがんの末期。エドワードはたまたま目にしたカーターの「死ぬ前にやりたいことリスト」に興味を持ち、二人で旅に出て、リストに書いてあることを次々に実現していく。
エドワードが大金持ちなのに個室ではないことにもちゃんと理由があるし、性格も興味も違う二人が徐々に理解し合い友情を育む様が自然だった。
テーマがテーマだけにいくらでも紅涙をしぼれそうなのに、その辺はさらりとかわしていた。ラストシーンも変に湿っぽくならなくて良かった。違法だけど。
エドワードの秘書のトーマス(ショーン・ヘイズ)が、ハンサムで有能、皮肉屋のエドワードの答えにくい質問にも気の利いたことを答えていた。良い秘書だ。
自動車修理工として長年家族のために働いてきたカーター(モーガン・フリーマン)と、一代で大富豪となったエドワード(ジャック・ニコルソン)が病院で同室となる。境遇は違うが二人ともがんの末期。エドワードはたまたま目にしたカーターの「死ぬ前にやりたいことリスト」に興味を持ち、二人で旅に出て、リストに書いてあることを次々に実現していく。
エドワードが大金持ちなのに個室ではないことにもちゃんと理由があるし、性格も興味も違う二人が徐々に理解し合い友情を育む様が自然だった。
テーマがテーマだけにいくらでも紅涙をしぼれそうなのに、その辺はさらりとかわしていた。ラストシーンも変に湿っぽくならなくて良かった。違法だけど。
エドワードの秘書のトーマス(ショーン・ヘイズ)が、ハンサムで有能、皮肉屋のエドワードの答えにくい質問にも気の利いたことを答えていた。良い秘書だ。
2008年
05月
04日
(日)
00:01 |
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マイク・ウォーターズ監督の『スパイダーウィックの謎』を観る。
八十年前に行方不明になった大叔父アーサー・スパイダーウィックの邸に、母親とともに引っ越してきた双子のジャレッドとサイモン(フレディ・ハイモアの二役)、その姉のマロリー(サラ・ボルジャー)。ジャレッドは隠し部屋で読んではいけないと警告がついた手書きの本を発見し、興味をそそられ読み始める。それは世界に一冊の妖精について書かれた本だった。この本を狙うマルガラスが、サイモン達を狙う。
わかりやすくて、面白かった。古い邸にやってきた少年が、封印された古い何かを開封して事件が起こる、という黄金のパターン。事件の回収の仕方もすっきり。フェンシングをするサラ・ボルジャーが機敏。ボルジャーはハイモアより年齢が一つ上なだけだが、ハイモアは年下の、幼い弟にしか見えなかった。
八十年前に行方不明になった大叔父アーサー・スパイダーウィックの邸に、母親とともに引っ越してきた双子のジャレッドとサイモン(フレディ・ハイモアの二役)、その姉のマロリー(サラ・ボルジャー)。ジャレッドは隠し部屋で読んではいけないと警告がついた手書きの本を発見し、興味をそそられ読み始める。それは世界に一冊の妖精について書かれた本だった。この本を狙うマルガラスが、サイモン達を狙う。
わかりやすくて、面白かった。古い邸にやってきた少年が、封印された古い何かを開封して事件が起こる、という黄金のパターン。事件の回収の仕方もすっきり。フェンシングをするサラ・ボルジャーが機敏。ボルジャーはハイモアより年齢が一つ上なだけだが、ハイモアは年下の、幼い弟にしか見えなかった。
2008年
04月
30日
(水)
00:01 |
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ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を観る。
十九世紀末から二十世紀初頭のカリフォルニアで、山師から身を起こし、石油で財を築いたダニエル・プレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)の人生。
冒頭、男が一人で縦穴の底で岩を砕いている。男は金鉱石を発見するが左脚を折ってしまう。なんとか穴の底から這い上がり、道のない荒野を背中で這って行く。次の場面では人のいる建物の中で、脚には添え木がしてあるがまだ床に仰向けになったまま。次はまた穴の中だが、穴の底からは石油がわき出している……ずっと台詞はない。表情、光景、小物だけで、男の置かれた状況と性格がわかった。登場人物がぺらぺらと説明的な台詞を話したりしないのは作り手が観客を信頼しているからだし、見せる技術に自信があるのだと思った。
プレインビューの裡で育まれる黒い塊が恐ろしくも、哀れ。
プレインビューは、父親の土地から石油が出るという情報をポール・サンデーから買い、サンデー農場に出向く。そこにはポールそっくりのイーライ(ポール・ダノ)がおり、プレインビューとイーライの因縁はずっと続く。ポールとイーライが一緒に登場する場面がなかったので、この二人は同一人物ではないのかと疑ったりしたが、それはないようだった。
ポール・ダノ、『リトル・ミス・サンシャイン』では無言を貫く少年役だったが、本作では性格の違う(どちらも頭は良い)兄弟という重要な(台詞の多い)役を一人で演じ分けていた。共通点を探せば、家族の一部を憎んでいて、真実を知って取り乱す場面があるところか。美形とは言い難いが、鼻の下の溝が深く、先だけ突き出た顎が独特。古代ローマにこんな横顔の皇帝がいたような気がする。
十九世紀末から二十世紀初頭のカリフォルニアで、山師から身を起こし、石油で財を築いたダニエル・プレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)の人生。
冒頭、男が一人で縦穴の底で岩を砕いている。男は金鉱石を発見するが左脚を折ってしまう。なんとか穴の底から這い上がり、道のない荒野を背中で這って行く。次の場面では人のいる建物の中で、脚には添え木がしてあるがまだ床に仰向けになったまま。次はまた穴の中だが、穴の底からは石油がわき出している……ずっと台詞はない。表情、光景、小物だけで、男の置かれた状況と性格がわかった。登場人物がぺらぺらと説明的な台詞を話したりしないのは作り手が観客を信頼しているからだし、見せる技術に自信があるのだと思った。
プレインビューの裡で育まれる黒い塊が恐ろしくも、哀れ。
プレインビューは、父親の土地から石油が出るという情報をポール・サンデーから買い、サンデー農場に出向く。そこにはポールそっくりのイーライ(ポール・ダノ)がおり、プレインビューとイーライの因縁はずっと続く。ポールとイーライが一緒に登場する場面がなかったので、この二人は同一人物ではないのかと疑ったりしたが、それはないようだった。
ポール・ダノ、『リトル・ミス・サンシャイン』では無言を貫く少年役だったが、本作では性格の違う(どちらも頭は良い)兄弟という重要な(台詞の多い)役を一人で演じ分けていた。共通点を探せば、家族の一部を憎んでいて、真実を知って取り乱す場面があるところか。美形とは言い難いが、鼻の下の溝が深く、先だけ突き出た顎が独特。古代ローマにこんな横顔の皇帝がいたような気がする。
2008年
04月
22日
(火)
00:01 |
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張藝謀(チャン・イーモウ)監督の『王妃の紋章』を観る。
唐王朝がたおれた後、五代十国時代のどこかの国。王(チョウ・ユンファ)には妻と三人の息子があった。美しい王妃(コン・リー)は血の繋がらない長男の皇太子(リィウ・イエ)と関係があり、皇太子は自らを廃して弟を皇太子に立てよと上奏している。次男の傑王子(ジェイ・チョウ)は逞しく、三男の成王子(チン・ジュンイエ)はまだ少年だった。王妃は王の調合する薬に毒が入っていることを知りつつ飲み続けていた。もうすぐ九月九日、重陽の節句なので、王妃は毒が回って震える指で菊の文様を刺繍していた。
宮廷内部が驚くような色調だった。これまでにない宮殿にしようとしたのか、柱がピンクと金色のまだらになっていて、千年前の設定とは思えなかった。いかにもスプレーペンキで塗りましたという感じで。
皇太子の恋人の蒋嬋(リー・マン)がゆで卵のような顔に切れ長の目、小作りな鼻と口で、古墳から出土した仕女俑に命が宿ったかのようだった。日本の芸能人でいうと加護亜依とか、そういう系統の顔だがもっと先鋭的。目が釘付け、目が離せなかった。動揺したときに左右がアンバランスになる顔つきもセクシー。
唐王朝がたおれた後、五代十国時代のどこかの国。王(チョウ・ユンファ)には妻と三人の息子があった。美しい王妃(コン・リー)は血の繋がらない長男の皇太子(リィウ・イエ)と関係があり、皇太子は自らを廃して弟を皇太子に立てよと上奏している。次男の傑王子(ジェイ・チョウ)は逞しく、三男の成王子(チン・ジュンイエ)はまだ少年だった。王妃は王の調合する薬に毒が入っていることを知りつつ飲み続けていた。もうすぐ九月九日、重陽の節句なので、王妃は毒が回って震える指で菊の文様を刺繍していた。
宮廷内部が驚くような色調だった。これまでにない宮殿にしようとしたのか、柱がピンクと金色のまだらになっていて、千年前の設定とは思えなかった。いかにもスプレーペンキで塗りましたという感じで。
皇太子の恋人の蒋嬋(リー・マン)がゆで卵のような顔に切れ長の目、小作りな鼻と口で、古墳から出土した仕女俑に命が宿ったかのようだった。日本の芸能人でいうと加護亜依とか、そういう系統の顔だがもっと先鋭的。目が釘付け、目が離せなかった。動揺したときに左右がアンバランスになる顔つきもセクシー。

