日記、読書、映画。
機械之心
『扉の外』
2007年 03月 14日 (水) 00:01 | 編集
土橋真二郎の『扉の外』(電撃文庫)を読む。
修学旅行に行く途中だった二年四組の三十一人は、気が付くと一部屋に集められており、全員の手首にはブレスレットがはまっていた。呆然とする彼らに、人工知能ソフィアは、地球が滅亡に瀕しているので宇宙に出て楽園を目指す途上だと告げる。自分に従えば生きていくことが出来、ブレスレットを外すとカウントされなくなって恩恵が受けられなくなると言われて、それにおとなしく従うクラスメート達に違和感を覚えた千葉紀之はブレスレットを外す。
家庭内で母親に抑圧されている紀之は他人に支配されるのが不快で、支配しようとする気配を察知すると反発し、実行に移してしまうのだった。母親や姉と親しい関係にない紀之だが、物語中で関わってくるのも女生徒ばかりだった。肉体関係にある生徒(コンドームなし)、優等生の委員長、外面の良い幼なじみ、女神。読んだことは無いが心理テストの回答でも読んでいるような気になり、女性恐怖とか、去勢不安とか、そういう単語がちらついた。
不条理にも奇妙な閉鎖空間に閉じこめられるというストーリーは『CUBE』(ヴィンチェンゾ・ナタリ監督)に似て、閉塞した場所で人間関係がほころびていく様は『es[エス]』(オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督)を薄めた感じ。ラストは『回路』(黒沢清監督)にちょっと似ていたが、もう少し救いはあった。田中啓文の『忘却の船に流れは光』(早川書房)も思い出したが、駄洒落で終わってはいなかった。
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright (C) 機械之心 all rights reserved.
designed by polepole...