2008年
02月
08日
(金)
00:01 |
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楊逸(ヤン・イー)の『ワンちゃん』(文藝春秋)を読む。表題作の文学界新人賞受賞作と書き下ろしの二作収録。
これもまた中国人女性が外国語(日本語)で書いた小説。イーユン・リー(李翊雲)やシャン・サ(山颯)のように翻訳を経ていないせいか、むき出しの言葉が迫ってくる。跡継ぎがいないことを恥じ、恐れる中国人が登場し、その気分が通底するのは『千年の祈り』と同じ。独身、不妊、同性愛者には厳しい社会といえる。女児しか産まないというだけでもいたたまれないのだから(「ワンちゃん」にそういう人物が登場する)。
「ワンちゃん」の主人公の木村紅は、中国名の王愛勤からワンちゃんと呼ばれており、中国人女性と日本人男性を結婚させる仲介業をしている。名前(愛勤、よく働く)のように働き者で商才があるが、男運はない。最初の夫はモデルのような美男子だったが浮気性で怠け者。二度目の結婚相手にはあえて見た目の良さを求めなかったが、夫には優しさや思いやりといった感情の動きそのものが少なく、夫婦の間に愛情の交流はないように見える。夫の兄(独身)も不気味だし、中国に残した息子も美しいが父親譲りのロクデナシに成長中。
中国女性を伴侶に求める日本の独身男がいい具合に情けなくて、映画にすればいいのにと思った。ワンちゃんは藤山直美。ワンちゃんが憎からず思う八百屋の土村は大地康雄。温水洋一も加えたい。
「老処女」は日本に留学して博士号取得を目指すがかなわず、中国語講師となった中国人の万時嬉が主人公。タイトル通り独身で男性経験もない万時嬉に、四十五歳にして訪れる初恋。『千年の祈り』を読んだばかりなので、リーの「あまりもの」を思い出す。あれも遅れてきた初恋の話であった。そして初恋は儚いのが相場。肉体は中年でも、中学生のように初心な老処女が切ない。
お見合いで子どものいる男と結婚するのはどうだろう?(時嬉に相談されたらこうアドバイスする)
これもまた中国人女性が外国語(日本語)で書いた小説。イーユン・リー(李翊雲)やシャン・サ(山颯)のように翻訳を経ていないせいか、むき出しの言葉が迫ってくる。跡継ぎがいないことを恥じ、恐れる中国人が登場し、その気分が通底するのは『千年の祈り』と同じ。独身、不妊、同性愛者には厳しい社会といえる。女児しか産まないというだけでもいたたまれないのだから(「ワンちゃん」にそういう人物が登場する)。
「ワンちゃん」の主人公の木村紅は、中国名の王愛勤からワンちゃんと呼ばれており、中国人女性と日本人男性を結婚させる仲介業をしている。名前(愛勤、よく働く)のように働き者で商才があるが、男運はない。最初の夫はモデルのような美男子だったが浮気性で怠け者。二度目の結婚相手にはあえて見た目の良さを求めなかったが、夫には優しさや思いやりといった感情の動きそのものが少なく、夫婦の間に愛情の交流はないように見える。夫の兄(独身)も不気味だし、中国に残した息子も美しいが父親譲りのロクデナシに成長中。
中国女性を伴侶に求める日本の独身男がいい具合に情けなくて、映画にすればいいのにと思った。ワンちゃんは藤山直美。ワンちゃんが憎からず思う八百屋の土村は大地康雄。温水洋一も加えたい。
「老処女」は日本に留学して博士号取得を目指すがかなわず、中国語講師となった中国人の万時嬉が主人公。タイトル通り独身で男性経験もない万時嬉に、四十五歳にして訪れる初恋。『千年の祈り』を読んだばかりなので、リーの「あまりもの」を思い出す。あれも遅れてきた初恋の話であった。そして初恋は儚いのが相場。肉体は中年でも、中学生のように初心な老処女が切ない。
お見合いで子どものいる男と結婚するのはどうだろう?(時嬉に相談されたらこうアドバイスする)
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