2007年
09月
18日
(火)
22:01 |
編集
クリス・ヌーナン監督の『ミス・ポター』を観る。
一九〇二年、ロンドンの出版社を三十二歳の独身女性、ミス・ポター(レニー・ゼルウィガー)がポートフォリオを持って訪れる。ウサギを主人公にした絵本を出版して貰うために原稿を持ち込んだのだが、断られるのには慣れているようだった。しかし、偶然、出版されることが決まって有頂天となり、公園を馬車で飛ばすよう御者に命じる。どこにいくにも婆やが付き従い、立派な二頭立ての白馬の馬車に乗る彼女は、上流階級の家庭の子女だった。
ミス・ポターは、ビアトリクス・ポター、『ピーター・ラビット』の作者で、名前は知らなくても青い上着の茶色いウサギを知らない人はいないだろう。独身女性の振る舞いが限定され、結婚しないことが異常と見なされる時代に、独身を通し、自立しようとするビアトリクス。独身を通すと言っても、良い相手(自分を理解し、愛してくれる誰か)に巡り会えなかっただけのようだ。担当編集者ノーマン(ユアン・マクレガー)の姉ミリー(エミリー・ワトソン)ももう若くはないが独身で、二人で「結婚なんてしない」と言っていたが、ビアトリクスが求婚されたと知ると祝福してくれた。「あなたが幸せになるですもの、あたりまえじゃない」と言うところがおとなの振る舞い。
大成功した絵本作家となり、名声と富を自力で手に入れた娘を、母親は祝福しない。自立の一番の障害も母親。映画ではそれほど険悪には見えなかったが、自分の期待通りの振る舞いをしない娘に苛立つ母親と、母親の予想外の方向へ進もうとする娘が仲良くできるものだろうか。ビアトリクスの弟もワイン商の娘と駆け落ちしているようだし、そうとう困った母親だったのではないのだろうか。
親子の対立はありふれているし、洋の東西、百年の時間を超えたある典型なのかも知れないが、観ながら漫画家の渡辺やよいを思い出した。『AERA』の「現代の肖像」で知ったが、渡辺の母親は彼女が学校で良い成績をとっても、大学に入っても、漫画家になって収入が増えても、結婚しても、子どもを産んでも不満で、認めることがなかった(おそらく今も)。娘の才能に理解のある父親がいるところまで似ていた(渡辺の父は故人)。
ポター家は湖水地方で夏を過ごすのだが、涼しいを通り越して肌寒そうに見えた。撮影時期のせいだろうか、そういう気候なのだろうか。
(本編には関係ないがユアン・マクレガーの額のイボが気になってしょうがなかった。)
一九〇二年、ロンドンの出版社を三十二歳の独身女性、ミス・ポター(レニー・ゼルウィガー)がポートフォリオを持って訪れる。ウサギを主人公にした絵本を出版して貰うために原稿を持ち込んだのだが、断られるのには慣れているようだった。しかし、偶然、出版されることが決まって有頂天となり、公園を馬車で飛ばすよう御者に命じる。どこにいくにも婆やが付き従い、立派な二頭立ての白馬の馬車に乗る彼女は、上流階級の家庭の子女だった。
ミス・ポターは、ビアトリクス・ポター、『ピーター・ラビット』の作者で、名前は知らなくても青い上着の茶色いウサギを知らない人はいないだろう。独身女性の振る舞いが限定され、結婚しないことが異常と見なされる時代に、独身を通し、自立しようとするビアトリクス。独身を通すと言っても、良い相手(自分を理解し、愛してくれる誰か)に巡り会えなかっただけのようだ。担当編集者ノーマン(ユアン・マクレガー)の姉ミリー(エミリー・ワトソン)ももう若くはないが独身で、二人で「結婚なんてしない」と言っていたが、ビアトリクスが求婚されたと知ると祝福してくれた。「あなたが幸せになるですもの、あたりまえじゃない」と言うところがおとなの振る舞い。
大成功した絵本作家となり、名声と富を自力で手に入れた娘を、母親は祝福しない。自立の一番の障害も母親。映画ではそれほど険悪には見えなかったが、自分の期待通りの振る舞いをしない娘に苛立つ母親と、母親の予想外の方向へ進もうとする娘が仲良くできるものだろうか。ビアトリクスの弟もワイン商の娘と駆け落ちしているようだし、そうとう困った母親だったのではないのだろうか。
親子の対立はありふれているし、洋の東西、百年の時間を超えたある典型なのかも知れないが、観ながら漫画家の渡辺やよいを思い出した。『AERA』の「現代の肖像」で知ったが、渡辺の母親は彼女が学校で良い成績をとっても、大学に入っても、漫画家になって収入が増えても、結婚しても、子どもを産んでも不満で、認めることがなかった(おそらく今も)。娘の才能に理解のある父親がいるところまで似ていた(渡辺の父は故人)。
ポター家は湖水地方で夏を過ごすのだが、涼しいを通り越して肌寒そうに見えた。撮影時期のせいだろうか、そういう気候なのだろうか。
(本編には関係ないがユアン・マクレガーの額のイボが気になってしょうがなかった。)
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