日記、読書、映画。
機械之心
『チョコレート・マウンテンに沈む夕日』
2007年 07月 13日 (金) 00:01 | 編集
スーザン・エルダーキンの『チョコレート・マウンテンに沈む夕日』(奥村直史・訳、中央公論新社)を読む。
母親の死後、ロンドンからアリゾナの砂漠に移り住んだ中年男性のシオ。スロヴァキアの靴工場で働くエヴァは、アイスクリーム売りのティボルに恋をし、一緒に放浪の旅に出る。一見関係なさそうな二人の人生が交互に語られ、やがて近付いていく。
色々なものが魅力的に描写され、砂漠の一軒家(トレーラーハウス)の前にシオが作ったサボテン園を訪ねたくなったし、ティボルの特製アイスクリームを食べたくなった。
訳者あとがきに「映画、テレビドラマ、文学など、多様なジャンルの作品との戯れが随所に見受けられる」とあったが、シオが亡くなった母親の姿を思い浮かべようとして、「お母さんの台詞は自分が受け持ってでも、お母さんと話がしたい」と願うところは、『サイコ』(アルフレッド・ヒッチコック監督)をかすめそうになっていた。シオには一人娘のジョゼフィンがいるのだが、愛らしい少女が思春期を迎えて反抗的になり(理解不能なモンスターと化し)親を悩ませるところは『エクソシスト』(ウィリアム・フリードキン監督)のよう……かも。
死体の一つや二つ隠しても見つかりそうもないアメリカの広大さ、砂漠の人口密度の低さに、さすがは『悪魔のいけにえ』(トビー・フーパー監督)を生んだ国と納得。
著者紹介の欄に「現在、本書の映画化に向けてシナリオを執筆中」とあった。映画化の際は、善良そうでありながらただならぬ感じのシオ役はフィリップ・シーモア・ホフマンでお願いしたい。
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