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機械之心
『天安門』
2007年 07月 06日 (金) 00:01 | 編集
リービ英雄の『天安門』(講談社)を読む。芥川賞候補作「天安門」と「北京越境記」が収録されているが、どちらも短い。
エッセイなどで先に知ってしまっているが、両作とも初めての中国北京訪問に材を得ている。台湾で過ごした幼少期の回想をまじえつつ、台湾で憧れていた大陸に足を踏み入れた経験を記す。
「北京越境記」では、主人公は北京で地元の青年達と知り合い、英語と北京語で会話をしながら食事を愉しむ。このあと北京を発って上海に行くと言う主人公(日本に住んでいるアメリカ人)に、彼らは口々に上海は良くない、上海人はカネカネで友情がない、友情は北京以北にしかないと言う。そのうち、台湾に住んでいたのにどうして台湾を離れたのかと問われた主人公は答える。「両親が離婚して、父が再婚したから」「相手は、台湾人?」「いいえ、大陸の人」「大陸の、どこ」「上海」――誰も何も言わなかったが、彼ら北京人の頭の中に、他人の夫を誘惑する、妖艶な悪女が浮かんだに違いない。
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