2007年
04月
27日
(金)
00:01 |
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梶尾真治の『つばき、時跳び』(平凡社)を読む。
駆け出しの歴史小説家の井納惇(私)は、熊本市郊外に祖父の遺した日本家屋「百椿庵」(ひゃくちんあん)に住むことになったが、この家には美しい女の幽霊が出ると言われていた。引っ越しきて程なく惇も目撃するが、女は幽霊ではなく、およそ百五十年前の時代を生きているつばきだった。
タイトルでわかるように、時間テーマのSFで、しかも肥後SFだった。どちらもカジシンの得意とするところなので面白くないわけがない。破天荒な描写は控え目で、江戸時代を生きる、家事万能で奥ゆかしく、しかも美しいつばきとの穏やかな交流がほとんどを占める。江戸時代の良さ、わけても女性の素晴らしさを説くこの感じ(江戸時代の女は男を立てるし、家事もよくやるし、いいよねー)が石川英輔の『大江戸神仙伝』(現代の東京に生きる中年男性が、江戸時代でいな吉という十代の美人芸者を愛人にする話。江戸時代に関するうんちくが多くて面白い)を思わせる、と思ったら、本書の中でも挙げられていた。カジシンも意識しているらしい。『大江戸…』とは違って、濡れ場は一切無かったが。
束の間の時間を共有し、つばきと惇の間に再び百年の時が横たわる。約束の場所で惇がつばきからの手紙を発見するくだりは胸を打つ。
クライマックスでSFだったことを思い出させられた。
駆け出しの歴史小説家の井納惇(私)は、熊本市郊外に祖父の遺した日本家屋「百椿庵」(ひゃくちんあん)に住むことになったが、この家には美しい女の幽霊が出ると言われていた。引っ越しきて程なく惇も目撃するが、女は幽霊ではなく、およそ百五十年前の時代を生きているつばきだった。
タイトルでわかるように、時間テーマのSFで、しかも肥後SFだった。どちらもカジシンの得意とするところなので面白くないわけがない。破天荒な描写は控え目で、江戸時代を生きる、家事万能で奥ゆかしく、しかも美しいつばきとの穏やかな交流がほとんどを占める。江戸時代の良さ、わけても女性の素晴らしさを説くこの感じ(江戸時代の女は男を立てるし、家事もよくやるし、いいよねー)が石川英輔の『大江戸神仙伝』(現代の東京に生きる中年男性が、江戸時代でいな吉という十代の美人芸者を愛人にする話。江戸時代に関するうんちくが多くて面白い)を思わせる、と思ったら、本書の中でも挙げられていた。カジシンも意識しているらしい。『大江戸…』とは違って、濡れ場は一切無かったが。
束の間の時間を共有し、つばきと惇の間に再び百年の時が横たわる。約束の場所で惇がつばきからの手紙を発見するくだりは胸を打つ。
クライマックスでSFだったことを思い出させられた。
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