日記、読書、映画。
機械之心
クランベリー島
2008年 07月 31日 (木) 00:01 | 編集
カレン・マキナニーの『注文の多い宿泊客』(上條ひろみ・訳、ランダムハウス講談社)を読む。
メイン州のクランベリー島でB&B”グレイ・ホエール・イン”を開業したナタリー・バーンズ(三十代、独身)だが、前途多難だった。宿泊客は少なく、姪は猫の手ほどにも役に立たず、計画されている大規模なリゾート開発が行われればインは潰されてしまう。そんなとき、宿泊客でもある土地開発会社の社長(この人物こそが注文の多い宿泊客であった)が死体で発見され、第一発見者のナタリーに殺人の容疑がかかる。
「朝食のおいしいB&B」というシリーズ名があるので、これからクランベリー島で事件が次々と起こるのだろう。たぶん、殺人。小さいのに物騒な島だな。ト、一冊読んだだけで判断する。
作中で停電したとき、読んでいてインの冷凍庫が心配になったが、別電源なのか、短時間で回復することを見込んでいるのか、冷凍庫の中身を気にしていなかったのが印象に残る。このインの台所は電化されているようで、電気が使えないとお湯も沸かせないので朝食にコーヒーも紅茶も出せず、オーブンでコーヒーケーキ(コーヒーと一緒に食べる甘いお菓子のこと、コーヒー味ではない)も焼けないし、フライパンで卵も焼けない。ちなみに、この日の朝食は、ブルーベリーマフィン、ベーグルとスモークサーモン(これらは冷凍してあったもの)、イチゴとメロンのフルーツサラダ(ホイップクリーム添え)。牛乳とオレンジジュース。
またある日の朝食。パンケーキ、ブルーベリーのコンポート、ソーセージ。お好みで卵料理。コーヒー。
別の日。焼きたてベルギーワッフル、カリカリに焼いたベーコン、イチゴのホイップクリーム添え。コーヒー。
翡翠の眼
2008年 07月 30日 (水) 00:01 | 編集
ダイアン・ウェイ・リャンの『翡翠の眼』(羽地和世・訳、ランダムハウス講談社)を読む。
一九九七年の北京。王梅(ワン・メイ)が公安部を辞めて私立探偵を始めて一年。有能な秘書、顧平(グーピン)(河南省の農村出身で、強健な青年)を得て仕事は順調だった。ある日、メイが子どもの頃から知っている陳おじさんが依頼人として事務所を訪れ、文化大革命のどさくさで洛陽博物館から消えた漢代の・曹操の翡翠の印章を探して欲しいと言う。
作者は中国出身の女性で、原著は英語で書かれている。
三菱のツードア・カーで北京を駆け回る若き女性探偵、メイ。北京で自動車を個人所有しているのか、そうとうの遣り手だと思ったが、遣り手は遣り手だったが、妹のルーの方がもっと世渡り上手、持って生まれた才能を活かしまくりで三菱は妹のお下がりだった。
生真面目な姉、如才ない妹。どちらも愛しているのに、姉娘には厳しく接してしまう母親。世界中の家庭で繰り広げられているドラマが中国にもあるのだと英米の読者も共感を覚えるに違いない。メイが仕事に向ける情熱、過去の恋愛、家族の謎も周到に描かれ、ミステリを展開する土台もちゃんとしていた。
本筋には関係ないが、作中でルーは八月八日に結婚したが、今年北京で開催されるオリンピックも同じ日が開会式だ。どうして真夏にと思ったら、とても縁起が良い日だからとのこと。ルーは太陰暦の八月八日にして少し涼しくなった頃に結婚式を行ったが、北京オリンピックは真夏に強行するのだな、縁起を担いで。
北京で北京語(普通語)を話せない、地方の訛りがあると馬鹿にされると聞いたことがあるが、グーピンも最初は訛りのせいで不採用になるところだったし、採用後も残る河南訛りはある種のクライアントを怯えさせるのに充分な働きをするらしい。『テキサス・チェーンソー』みたいなホラー映画で、田舎に迷い込んだ都会人が住人に恐怖を抱くのに似た心境だろうか(ホラー映画だから、恐怖に直面することになるわけだが)。
100KB
2008年 07月 28日 (月) 00:01 | 編集
黒史郎の『100KBを追いかけろ』(講談社)を読む。
タイトルの100KB(キロババア)は、白い着物の老婆が白髪を振り乱してものすごいスピードで車を追いかけてきたり、追い抜いていったりするという都市伝説に由来している。
舞台は七月の横浜市鶴見。両親の死後、福島に住んでいたカオルが鶴見に戻ってきた。地元の劇団に所属し、次の舞台で主役を演じることになったという。100KBの役だが。友人のジュンとトシオはカオルの帰郷を喜ぶが、同じ頃、トシオの叔父が運転する車が追突事故を起こして叔父は意識不明の重体となり、車内には謎の血文字が遺される。もしかして100KBに追いかけられて事故にあったのか?
最初の方でいくつかの謎が提示されるが、それらは智恵と勇気で解決したものもあれば、ますます謎めくものもあった。メインの三人が二十二歳と若いため、青春ミステリのおもむきがある。読み終わってもすっきり爽やかではないが、苦味も含めて悪くはない読後感。鶴見の路上をオイルの匂いの混じった熱い潮風が吹き抜ける。
巨匠対決
2008年 07月 24日 (木) 00:01 | 編集
東京国立博物館平成館で、特別展「対決−巨匠たちの日本美術」創刊記念『國華』120周年・朝日新聞130周年
鎌倉時代の仏師運慶 vs 快慶から、近代の鉄斎 vs 大観まで、日本の巨匠総勢二十四人、十二組の対決。すごく濃い部分を集めたような展示だった。
円山応挙の「猛虎図屏風」と長沢芦雪の「虎図襖」が並んで展示されているのだが、応挙の虎は毛皮が緻密で見ているだけで手触りが伝わり、芦雪の虎は前肢が大きくて今にも飛びかからんばかり。描くときのポイントをどこに置くかの違いか。
特別展オリジナルグッズに、山口晃の筆になる巨匠缶バッヂのガチャガチャがあったので一つ買ってみた。二百円。雪舟等楊が出てきた。平成館一階に展示されている原画を見て確認したら、雪舟は足の指で鼠の絵を描いていた。四匹も。
鍛高ラムネ
2008年 07月 22日 (火) 00:01 | 編集
鍛高(たんたか)ラムネ
ガラス瓶、二百ml。百三十七円。冷蔵庫から発掘。
ラベルに白糠町特産青紫蘇使用、紫蘇葉搾汁液2%未満の表示。
うっすら緑色で、飲むと青紫蘇の爽やかな香りがする。遠くの方にミントの風味があるのは、ミントが同じシソ科だからだろう。
製造者は北海道の丸善市町。
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金鉱に殺到
2008年 07月 21日 (月) 00:01 | 編集
種苗会社サカタのタネ一押しのトウモロコシ、ゴールドラッシュ。
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サカタのタネの売店で、種子ではなく契約農家が栽培・収穫した物を買った。
鍋で茹でようとしたら長くて入らなかったので、売り場のポップに書いてあったように皮を一枚だけ残して剥き、ラップで包んで電子レンジで七分加熱。加熱前に生で一粒囓ってみたが甘かった。
いつもは少ない水で蒸すように茹でるが、それに近い出来上がり。ラップと皮を剥くと大粒の黄色い実が並ぶ。タネが良いのか栽培が上手いのか、芯が長く太いので実が多い。甘みも強い。
怪談実話系
2008年 07月 18日 (金) 00:01 | 編集
『幽』編集部編『怪談実話系 書き下ろし怪談文芸競作集』(MF文庫ダ・ヴィンチ)を読む。参加した作家は十人。
怖いというか不気味で、読み終わってからぞっとしたのは、冒頭に収録された京極夏彦の「成人」。
キャラクター岩井志麻子を作家岩井志麻子が書くという趣向なのか、実話なのか判然としないが、この虚実皮膜が面白い「美しく爛れた王子様と麗しく膿んだお姫様」が面白かった。
まさに十人十色。スタイルも視点もそれぞれだった。

買わずに後悔
2008年 07月 17日 (木) 00:01 | 編集
上海博物館のミュージアムショップで買ったマウスパッドが使いにくくてがっかりしている。裏返して黒い滑り止めのついた面を使った方がまし。もしかして印褥(印鑑を捺すとき紙の下に敷くもの)だったのかも。デザインは気に入っているだけに残念だ。
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同じミュージアムショップで売っていたある本が欲しかったのだが、大判の上に重く(四kgくらい)、持って帰るのが大変そうなので買わなかった。帰ってきてから、買っておけば良かったような気がして、軽く後悔。別送しても良かったんだし。
友人には「旅行中の買い物は、迷ったときは買え」と何度も言われているのだが、旅行中はしばしば忘れる。
お茶らむね
2008年 07月 14日 (月) 00:01 | 編集
お茶らむね。
ガラス瓶、二百ml。到来物。
緑茶入りでうっすら緑色。口に入れると緑茶というか煎茶の味がし、飲みこむときに煎茶の香りがする。煎茶に砂糖を入れて飲んでみたことがあるが、それに似ている。ゲテモノではなく、さっぱりしている。
製造者は静岡の木村飲料。

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カレーチョリソ
2008年 07月 12日 (土) 00:01 | 編集
モスバーガーで期間限定のカレーチョリソを食べる。トルティーヤに千切りキャベツとチョリソ(辛いソーセージ)をのせ、カレーソースをかけたもの。三百六十円。
キャベツがソーセージとカレーの熱でしんなりしている。薄いトルティーヤでは支えきれない具沢山で、紙で筒状に丸めてあるが、食べようとするとソースが零れれそうになって食べにくい。
カレーソースならチョリソでなくてもいいのにと思ったものの、口の中に入ってしまえばこっちのもの。ソーセージはプリプリ、トルティーヤはもちもちで美味しい。キャベツもあった方が良い。

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Hot Fuzz
2008年 07月 10日 (木) 00:01 | 編集
エドガー・ライト監督の『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』を観る。
仕事が出来すぎるために疎まれたニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)は、ロンドンの首都警察から、ヴィレッジ・オブ・ザ・イヤーを受賞したこともある村の警察署に左遷される。署長の息子でアクション映画が好きなダニー・バターマン(ニック・フロスト)とコンビを組まされたものの、村では事件らしい事件が起こらなかった。実は事件は起こっているのだが、事故と思われていた。
くすくす笑いが絶えない冒頭から期待がもてた。ぼんくらな感じのダニーが、エンジェルの影響を受けて警官らしいことを言ってみるようになったりして、ダメ警官の成長ものとしても楽しめた。出典はよくわからないが、昔の映画の断片みたいなシーンがたくさんあってそれも楽しかった。西部劇とか。最後の取っ組み合いは、特撮怪獣映画みたいだったし。エンジェルはパブでもクランベリージュースばかりを飲んでいたが、『ディパーテッド』の潜入捜査官ビリー(レオナルド・ディカプリオ)もクランベリージュースを飲んでいた。警察官が飲むものとして一般的なのか、それとも『ディパートッド』に敬意を表しているのか。クランベリージュースを飲むと言えば『ディパーテッド』しか知らない。
最初と最後にビル・ナイが出演しているのがイギリス映画っぽくて嬉しかった。迷子の白鳥が保護されて良かった。
虹の集合住宅
2008年 07月 08日 (火) 00:01 | 編集
宇佐美まことの『虹色の童話』(MF文庫ダ・ヴィンチ)を読む。
夫を亡くした千加子は、老いた姑の世話をしながら民生委員をしていた。千加子はレインボーハイツに生活保護を受けている祖父と住んでいて、あまり世話をされていない様子の男児を気に掛けていたが、彼らだけでなく、老朽化したこのアパートに住んでいる数少ない住人は、みな何かしらの問題を抱え不幸の影を携えていた。
美しい名前と裏腹の、淀んだ雰囲気のアパート。子どもを盗られるという妄想に固執する若い母親、夫の連れ子に罵倒される継母、妻に暴力をふるう夫、失業中の中年男……ありふれた不幸だが、集まると言い知れない不吉さを帯びる。レインボーハイツの住人に関わる千加子も、その連なりとは無関係ではいられない。織り込まれた伏線が生きる後半の展開にいやな気分になるが、読むことを止められない。
読み終わってから、レインボー(虹)は雨上がりの空に、僅かな時間だけ現れるはかない存在で、人生もそのようなものという含みがあるのではないかと思った。そんなに悪くない生活を送っていても、明日はどうなるかわからない、一寸先は闇という。

オターマ
2008年 07月 07日 (月) 00:01 | 編集
水沫流人の『マリオのUFO』(MF文庫ダ・ヴィンチ)を読む。
父親の仕事の都合で日本からブラジルにやってきた少年マリオ。父親は工場のそばに柔道場と土俵を作り、柔道とスモウを奨励していたが、ある日、スモウの稽古中に運転手のヒロさんがジョゼを投げ飛ばし、ジョゼは死んでしまう。マリオはジョゼの魂はどこへ行ったのか、どんな姿なのかが気になって仕方なかった。
表題作「マリオのUFO」と短編「リオ・ブランコ」の二作収録。どちらもブラジルが舞台で、作者の分身のような日本人少年が主人公だった。読んでいる間も読んだあとも続く浮遊感は、ブラジルが舞台だからだろうか。照りつける太陽、生き生きと言うよりも猛々しい人間達、生い茂る植物、影の暗さと静けさ。
女性、少女がほとんど登場せず、「マリオ」には、マリオと学校の安藤先生(中年男性)のお医者さんごっこがあったりして、読みようではちょっとエロい。たぶん、作中に死の影が濃いので、生に近いエロスに傾いてしまうのだろう。
オターマ(たましい)を巡るスタンピードにあっけにとられた。素晴らしい。
MISSING
2008年 07月 04日 (金) 00:01 | 編集
徐克(ツイ・ハーク)監督の『深海尋人 MISSING 』を観る。
若い女性医師の高静は、ダイビングで知り合った恋人、国棟を海の事故で亡くしてしまう。以来、高静の身辺で不思議な出来事が頻繁に起こる。
前半、エピソードや演出に(これは少しおかしいのでは?)とたびたび感じ、ホラーとしては脚本が弱いと思ったが、後半で転調してからは納得がいった。与那国島の海底遺跡が出てきたので、『ハイドゥナン』かと思ったが、関係なかった。
上海の映画館では『カンフーパンダ』が絶賛上映中だったが、日本で公開されるか不明なこちらにしてみた。ショッピングモールにあるシネコンで鑑賞。六十元。
冒頭、現代人の多くは精神を病んでいるというようなナレーション(字幕あり)があり、高層アパートを見上げてぶつぶつ呟いている女のショットがあったが、周囲の観客はみんな笑っていた。ここで笑うのかと思った。上映中携帯をいじる、通話する、大きな声で映画の説明をするのは普通。さすがにあまりに話が長いと、咳払いされていたが。
ツケ
2008年 07月 02日 (水) 00:01 | 編集
ネジバナが花茎をあげて来はじめたのだが、いまひとつ元気がないと思っていたら、ムシがついて、枯れた。先駆けて花を咲かせ、旅から帰ってきても咲いていた白花ネジバナも。
殺虫剤の散布を怠ったせいだろう。春に一回でも遣っておけばよかった。後悔先に立たず。
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